日本酒の造り方のひとつに「山廃造り」というものがあります。石川県では菊姫や天狗舞、手取川などいくつもの酒蔵さんで見られますが、全国的には少ない手法です。
味の特徴としてはひとくち口に含むと旨みや甘み、酸味、渋みなどいろんな味が何層にも感じられしっかりとしてコシがあります。
石川県でどうしてよく造られているのかというと、実は、農口尚彦研究所の農口杜氏が二十代の頃、静岡の酒蔵から石川の菊姫の杜氏として移られた時に静岡のきれいな味わいのお酒をぜひ石川の人達にも飲んでもらおうと思ったそうです。ところがいい評判ではありませんでした。菊姫は山間にあります。木こりやお百姓さんは一日の仕事を終えお酒を飲んでしっかり休み、次の日の仕事に備えます。そのためにはガツンとした味わいのお酒が好まれました。
そして農口杜氏は山廃造りを丹波杜氏に教わりに行き、菊姫で山廃造りが始まりました。その後天狗舞の中杜氏に伝え、今にいたり、石川でも多くの酒蔵で造られるようになりました。
石川県山廃造りの元祖である農口杜氏のお酒、明日発売です。